はじめに
今回は3月20日(金)公開の「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒」の記事になります。
2016年公開の「スーサイド・スクワッド」で登場して以来絶大な人気を誇るハーレイクイン(マーゴット・ロビー)の満を持した単独主演映画。
ネットの評判含め個人的にもめちゃくちゃ詰まらなかった前作「スーサイド・スクワッド」
予告編の完成度が高過ぎた…
ちなみに、映画がつまらな過ぎて初めて映画館で寝てしまった作品は「スーサイド・スクワッド」でした…
そんな因縁の映画の実質続編にあたる今作「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒」ですが
映画の満足度は100点満点中
100点!!
純粋にスーサイドスクワッドの100倍面白かったw
今回はそんな100点満点の出来で楽しめた「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒」の感想と見どころについて紹介していきたいと思います。
(※ 以降「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒」のネタバレ記事になりますので、ネタバレNGな人は見ないでくださいね。
感想 (ネタバレあり)
・むしろハーレイクインにフラれたジョーカー
今回の「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒」はゴッサムシティを牛耳る大悪党ジョーカーにフラれてしまったハーレイクインが失恋を乗り越えてパワフルに覚醒するというのが物語の大まかな概要になります。
バットマンシリーズ最大の敵であるジョーカーの側近にして恋人であるハーレイクインの主演映画
今作は完全にジョーカー抜きのハーレイクイン100%
個人的に回想シーンで少しはジョーカーが出てくるかな?と1%くらい期待してましたが、そんな事もありませんでしたねw
映画史に残る傑作「ダークナイト」のヒース版ジョーカーとアカデミー賞「JOKER」のホアキン版ジョーカーの登場で実質黒歴史にされたジャレット・レト版ジョーカーですが
今作の「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒」では、そんなレト版ジョーカーは完全に葬り去られたという印象
映画の設定ではジョーカーがハーレイを振った事になっていますが、本質はハーレイがジョーカーを振って「私単独の映画を作っちゃうわよ♡」な映画ですね
ジョーカーちょっと可哀想…
・番長にフラれた彼女が喧嘩番長になる物語
今作の映画を見て面白かったのはタイトルにも書いたように「番長(ジョーカー)にフラれた彼女(ハーレイ)が喧嘩番長になる」という「女性の自立」を描いたテーマ性ですね
ゴッサムシティを牛耳る悪のカリスマジョーカーの彼女であるハーレイはまさに「虎の威を借る狐」、ハーレイはジョーカーの権力をかさに着て好き放題悪事をはたらいていました。
ハーレイクイン怖いもの無し状態
ハーレイ「私ってまぢ最強かも〜(JK」
後にハーレイの敵となる極悪非道なギャングのお頭ブラックマスクですら、「ジョーカーの女」であるハーレイには悪さ出来ず部下の脚が折られても大目に見る始末。
番長の彼女には手出し出来ない下っ端ヤンキーの構図そのものw
ジョーカー同様その彼女として悪の限りを尽くしてきたハーレイクインですが、ある日を境にジョーカーに捨てられた事によって「ジョーカーの女」というある種の特権を失い、彼女の地位は地の底まで落ちてしまいます。
ジョーカーの女から「ただの女」になってしまったハーレイクインにとって、もはやゴッサムシティは危険地帯
ハーレイクインがジョーカーと別れたと噂が広がるやいなや、ハーレイに恨みを持つ輩が次々と復讐しにやってきます、終いには警察にも追われるようになり板挟み状態。
ハーレイが次から次へと襲撃されるシーンはコメディタッチで描かれていて楽しい場面でしたw
復讐を受け、大好きなサンドイッチを落としてしまったハーレイクインはついに吹っ切れて戦う事を決意するのです。
物語が進むにつれて、劇中では様々な形で男(ある意味男性社会)に虐げられ、搾取されてきた女性キャラが登場していきます。
同僚(男)に手柄を横取りされて昇進を逃した女刑事
ギャング(男)に飼われるように雇われる女歌手
ギャング(男)に家族を皆殺しにされ復讐に燃える女暗殺者
最初は敵対しあう彼女らですが、次第に心を通わせることで最終的にタッグを組みます。
そして
「ハーレイ率いるレディース軍団」対「ギャング」
の戦いが始まるのでした。
ハーレイが喧嘩番長になると言ったように映画のアクションは8割が格闘シーンで、さながら
女VS男
の戦いを描いているように見えました。
映画終盤のハーレイ軍団とギャングの戦いでは、不自然なレベルにギャングの男達は銃は使わず素手やナイフでハーレイ達と戦いますw
映画あるあるの1つ「敵キャラ銃使えやw」ってやつですね
はっきしラストの戦いは殺し合いと言うより「何でもありなはちゃめちゃ大喧嘩」「ス◯ブラ」
ハーレイ率いる女軍団がギャングの野郎どもをバタバタ殴り倒していく場面は見ていて痛快でしたねw
こうしてハーレイクインは自らの身体能力とハンマーを使ってギャングを蹴散らし、ジョーカーに捨てられた「ただの女」から「喧嘩番長」へと覚醒するのでした。
・時間巻き戻しちゃう系ストーリー
肝心な映画全体のテイストは映画で例えると「デッドプール」シリーズが一番近いように思えます。
映画の序盤はハーレイクインがジョーカーにフラれてからの出来事、その他主要キャラクターの紹介や回想がテンポ良くさらにポップに展開されていきます。
ほぼデッドプールのようにハーレイ自身が物語を観客に語りかけるようにナレーションして話が進み、数え切れないくらいに時間軸が前後左右するかんじw
ハーレイ「ここで話を1時間戻すわ…」
ハーレイ「一方そのころ彼らは…」
ここら辺の語り口は話が行ったり来たりするので、人によって好みが分かれるなと少し思いましたね
自分はデッドプールが大好きなのでむしろ楽しめましたがw
・見応えあるアクションシーン
なんと言っても今作はアクションがとても見応えがあって楽しめました。
特にハーレイの驚異の身体能力には魅せられましたね、細身でありながらギャングの大男達を回し蹴りしたり、ローラースケートを履いてカーチェイスをしたりなど…
中でも終盤のローラースケートでカーチェイスをするシーンはアクション映画の中でも斬新なスタントで感動すら覚えましたw
実際にハーレイ役のマーゴット・ロビーさんは今作の為にローラースケートのトレーニングを相当積んだようで…
そんなローラースケートアクションですが、まず男だけのアクション映画だとローラースケートを履いて車と並走、飛び移る!!って設定自体に無理がありすぎて実現しないんですよねw
ワイルドでムキムキな男性主人公がローラースケートを履いてカーチェイスをする絵面は正直キツイですし、展開の想像がつきません…
しかし、そういった誰も見た事のないようなアクションシーンを予測不能な悪カワヒロイン「ハーレイクイン」がやってのける!
女性主人公ハーレイクインだからこその超絶アクションが見れてめちゃくちゃ興奮しました。
結構自分はステレオタイプな人間なので
「何だかんだ言ってもアクション映画は男のテリトリーやろ、男のアクションが一番だ」
という考えでしたが、ハーレイクインのローラースケートアクションを見て考えを改めさせられましたね…
ある意味男性主体のアクションはあらゆるアイデアが出し尽くされて、最近のアクション映画は概して目新しさが少なくなってきている印象です。
一方で女性主体のアクションはまだまだやってもなかったり、考えられてすらない表現の可能性が秘められていて、まさに可能性は無限大だなと心底感じましたw
それとアクションではもう1つ、ハーレイが単身警察署に突入してグレネードランチャーをブッ放す場面も最高でした。
そして発射されるグレネード弾は特注?手作り?なのかは定かではないですが、弾の中にカラフルな煙幕やキラキラ輝くラメが入っていて撃つ度に警察官を撹乱させていきます。
アメリカの警察署を襲撃するのにグレネードランチャー1丁だけって軽装過ぎないか?w
とは思ったりしましたが、そこは主人公ハーレイクインなんとかやっちゃいます。
そんなこんなで、ポップで美しいハーレイクインのガンアクションは必見!
・とにかくハーレイクインが可愛い
もうこのことに尽きる。
とにかくハーレイクインが可愛いw
2016年のスーサイド・スクワッドから彼女の可愛さは溢れんばかりのものでしたが、今作の「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒」ではよりハーレイが魅力的なキャラクターになったように思えます。
前作のスーサイド・スクワッドではハーレイはどちらかというと「ジョーカーによって狂わされた狂気の女道化師」という感じで少し掴み所のないキャラを演じていましたが
今作でのハーレイは「失恋のショックで傷ついた乙女」であり、劇中では普通の女の子のように泣いたり笑ったり怒ったりの感情を素直にさらけ出します。
極悪なハーレイクインですら失恋には当たり前のように傷つき悲しむみたいな儚げな女子の姿に男は弱いもんですw
前作に比べてはるかに人間味が増したハーレイに、自分含め多くの視聴者が彼女に対して感情移入した事でしょうw
ハーレイクイン頑張れ〜〜!!(応援上映
キャスト
マーゴット・ロビー(ハーレイ・クイン役)
今作の主人公、元は精神科医だったが担当患者であった悪のカリスマジョーカーと恋に落ちて闇堕ちした悪かわヒロイン
ユアン・マクレガー(ブラックマスク役)
ハーレイクインと敵対するゴッサムシティのギャングのボス役
を演じたユアン・マクレガーさんはこの前公開したシャイニングの続編作「ドクター・スリープ」で主演を務められてましたね。
しかもこの見た目で48歳らしいので相当若い
エラ・ジェイ・バスコ(カサンドラ・ケイン役)
達人級のスリの技術を持つアジア人の少女、手グセの悪さから、危険なブラックマスクのダイヤモンドを盗んでしまい命を狙われる。
ジャーニー・スモレット=ベル(ブラックキャナリー役)
ブラックマスクが経営する店でキラーボイス(高音の歌声)を持つ歌手として雇われている、歌手としての実力もさることながら高い格闘技術も持ち合わせている
そして彼女にはある秘密の技が…
個人的にこのブラックキャナリーみたいなちょいワイルド感がある綺麗な女性、めちゃくちゃタイプですw
ロージー・ペレス(レニー・モントーヤ役)
手柄を横取りされて出世から見放された女刑事、ハーレイクインらを追い詰める中で最終的にハーレイ達と手を組みギャングと戦う
役を演じたロージー・ペレスさん年齢の割にはアクションにキレがあるなと思って調べたら、女優であり「振付師」としても活動されてるみたいで、そりゃ身体動くわなwと納得しました。
メアリー・エリザベス・ウィンステッド(ハントレス役)
元金持ちマフィア一家の娘でギャングらに家族を殺された過去を持ち復讐に燃える殺し屋
卓越した暗殺技術を持ちながら、殺し以外の決め台詞なんかは「超絶にセンスがなく、ダサいw」
真面目なキャラでどこか抜けている今作のプチお笑いキャラ
クリス・メッシーナ(ビクター・ザーズ役)
ブラックマスクの右腕敵キャラで拉致した人間の顔の皮をナイフで剥いだりする残虐非道なマフィア
ボスのブラックマスクと結構仲がよくて、はっきりとした描写は無いですが上司のブラックマスクに仲間意識以上の感情を抱いているキャラにも見えました、要するに「ゲイ」疑惑w
最後に
今回の「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒」は期待していた以上に楽しめた映画でしたw
そして今作の監督は中国出身のキャシー・ヤンさんという女性で、なんとスーパーヒーロー映画を監督した初のアジア人女性だそうです。
キャシー・ヤン監督は過去に「ウォール・ストリート・ジャーナル」紙の記者をしており、そこから映画監督デビューで映画賞などを受賞し今に至るそうです。
今作の一種の「女VS男」や「女性の自立」みたいなテーマ性は、キャシー・ヤン監督が実際に記者時代、映画監督として経験してきた「男性社会での女の生きづらさ」「抑圧と解放」みたいなものが元になっているんだなと思いました。
そういう背景も考えていくと映画のラストブラックマスクの呆気ない最期の描写にも納得してしまいますw
男性社会の象徴とすら言えるギャングのボスを結構雑に手榴弾で木っ端微塵にしてしまう場面は、ある意味監督自身のシステム(男性社会)への復讐でもあり、「これからは私達の時代なの」といった宣戦布告にも思えたりしました。
「えっ?これでボス倒しちゃったの?w」ってくらいあっさりブラックマスクが粉々になって、話のカタルシスは小さいとは思ったけれど
正直この映画全体が心の鬱積からの解放という「カタルシス」を描いているので、正味ラスボスを倒して「ああ~すっきり!」って事に重きを置いてないんですね。
まあ何はともあれ映画を見終わった頃には「楽しかった!大大満足!!」できるオススメ映画です。
皆さんも是非ご覧になってください。
以上、フカザワでした!
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